2014年11月29日土曜日

ティク・ナット・ハン師のマインドフルネス考

勝義方便メモNo.10
http://togetter.com/li/719545

「マインドフルネス」再考

ティク・ナット・ハン師のマインドフルネス考を少し追記させて頂きました。もちろんまだまだ精査して参りたいと存じます。

 57)少しずつティク・ナット・ハン師のマインドフルネス考を進めさせて頂いておりますが、やはり最も気になるのが華厳経における「重々無尽」・「相即相入」的な縁起観から帰結される「事々無礙法界」の論理を全面に出し過ぎとなっているのではないかというところでございます。

58)華厳経の説く融通無碍的な縁起観、事々無礙法界観というものは、正直、万人に対して説かれるべきかどうか、方便的に重要な問題を孕んでいます。その説き方を誤ると、楽観的な救済論・現実全面肯定論や神秘主義の傾向へと一気に陥りやすくなる危険性があるかと存じております。

59)簡単に述べますと、何でもかんでも皆一緒くた、一体、元は同じ、帰るところも同じというような一元論への傾倒により、何もかもが全て丸っと一つで、善悪等、差別・区別・分別無しで仏の慈悲によりいずれ、やがて救われるから大丈夫、安心しろ的な考え方への帰結であります。

60)そうなると、仏教の基本としての勧善懲悪論も因果論も修道論もやがて否定されてしまい、結局は仏教無用論へと陥りかねなくなってしまいます。現に、ハン師の説く「マインドフルネス・トレーニング」が仏教関係なしでも全くオッケー的なところが少なからずにも見受けられます。

61)もちろん、マインドフルネス・トレーニングでは、仏教でも重要視する慈悲・寛容の心を養うこと、仏教における戒律を守ること、六波羅蜜を実践することに繋がるというところでの有効性は高くあるかと存じております。ただ、一元論的な危険性も控えているというところであります。

ティク・ナット・ハン師の「マインドフルネス」考のため既読の「法華経の省察」と共に下記の精読を進めさせて頂きます。

「ブッダの幸せの瞑想」サンガ


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気がつけばhasunohaの回答、二週間も空いてしまっておりました・・今までで一番サボってしまいましたね・・また少しずつ再開して参ります。

問い「寺嫁です。旦那が浮気旅行中です。」
http://hasunoha.jp/questions/851
拙回答

不邪淫戒

mizu様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

既に御礼を拝見致しました・・体調をお崩しになられてしまわれたようでして、心労の程、誠にお察し申し上げます・・

とにかくまずは心身ともに十分に休養なさられまして、少し落ち着かれましてから善処へ向けて動かれて下さいませ。

しかし、ご主人様は、僧侶であるにも拘らず、「不邪淫戒」を破り続けておられるとのこと・・誠に残念極まりないことでございます。

「不邪淫戒」につきましては、下記における各問いにてもお答えさせて頂いております。

http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/不邪淫戒

その中ではお坊さんに関しての下記のようなご質問も頂いております。

問い「お坊さんに告白されました」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1013595169.html

とにかく、不邪淫は自身の身の破滅を招くだけではなく、周りにも多大なる迷惑を掛けてしまうことにもなるため、本当に厳に慎むべきことであるかと存じております。

しかしながら・・この度は、仏法を扱われているご主人様においてその自覚が相当に欠けてしまわれているご様子・・

心からの慚愧、謝罪、誠意、償いがあるならば、許せないこともないかとは存じますが・・それも今のところは難しいのかもしれません・・

また、浮気・不倫の原因が寺(仕事)、親との関係・確執等による不満やストレスにあるようならば、その改善によっては無くなることもありえるかもしれませんが、もし、義両親様が「二重人格」とおっしゃっておられるように、やや性格的、または精神疾患的な問題であるならば、別の改善方針(心療カウンセリング等)の検討も必要になるのではないかと存じます。

お子様やこれからの生活のことなど、色々とご不安もあることでしょうから、またご快復後によくご理解頂いている義両親様とご相談しつつ、第三者(檀家総代さんやまたは弁護士等)も介して善処へと向けて話し合いをなされていかれると良いのではないかと存じております。

川口英俊 合掌


問い「死後の夢、来世の不安」
http://hasunoha.jp/questions/846

拙回答

死後について

あやっち様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

基本的に「死後のこと」については「無記」の扱いとすべきであり、今、この瞬間瞬間における現実の己の迷い苦しみのありようの解決へと向けてしっかりと取り組むべきで、まだ来たらぬ先のこと、未来のことまでをあれやこれやと心配しても詮のないこととして退けるのが第一義となります。

ただ、今抱えている迷い苦しみの解決へと繋がる可能性が少しなりともあるのであれば、(方便的に)「死後のこと」を考えるのも必要なのではないかと存じております。

そこで、これまでに「死後のこと」につきましては、下記のような各問いにお答えさせて頂いております。

カテゴリー「死後について」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/cat_324660.html

また、上記における拙回答を元として下記のような拙論も補足的に述べさせて頂いております。

「 死後について 」
http://blog.goo.ne.jp/hidetoshi-k/e/46df9bb57071ef4f2b56161423dba66f

「六道」については、下記のようにも回答させて頂いておりますのでご参照下さい。

問い「六道とはこの世にあるのでは、と思うようになりました。」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1008271399.html

問い「六道」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1008271399.html

とにかく、仏教の基本原則としての「諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教」(諸々の悪い行いをなさずに、善い行いに努め励みて、自らその心を浄らかにすること、これが諸々の御仏の教えである)に取り組むことが善処へと向かうためには必要となるものであると存じております。

また、地獄や餓鬼など人間道も含めて輪廻に苦しむものがやがて悟りへと到れるようにとして功徳・追善回向、普回向することで、いずれ己も含めて全ての衆生が救われる縁(仏縁・法縁)がございますようにとして調えていくことも大切となります。

是非共に頑張って参りましょう。

川口英俊 合掌


問い「どうしたら明るい性格に見られるのか」
http://hasunoha.jp/questions/843

拙回答

性格について

あいみん様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

「メンヘラ」と呼ばれてしまわれてお悩みとのこと・・誠に周囲の心ない友人たちには困ったことでございます。

ただ単に誂われているだけであるならば、強く否定したり、嫌がっていることをはっきりと伝えたりする中で改善の余地はあるかとは存じます。それでもまだ辞めないようであれば、相手のことを考えられる人ではなく本当の友人ではないとしてお付き合いのあり方を変えられるのも一つであるかとは存じます。

とはいうものの、キャンパスライフという小さい狭い世界でにおいてもう既にある程度の人間関係ができてしまっている中、いまさら友達を辞める、付き合いを辞めるなどというのもどこか抵抗があるかとは存じます。

そこで、性格を変えるというのは正直難しいことかもしれませんが、下記の問答の拙回答で述べさせて頂いておりますように、今の性格の原因や条件となっている要素をより善くに変えていくことで、性格もより善くに変えていくことができるのではないかとは存じております。

それには、例えば既に長谷川様もおっしゃられているように、外見から明るく整えていかれるのも一つではないかと存じます。若者向けの女性ファッション誌も多くございます。それで少し髪型、メイク、服装などについて研究もされて試されてみられても良いのではないかと存じます。

既に終わっていましたら関係ないことですが、これから就活をなさられるのであれば、面接で好印象を持たれるようにするにはどうすれば良いかということにもまた役立つのではないかと存じます。

問い「性格は変えれますか?」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1004829168.html

「・・もちろん、性格も色々な原因や条件によって今の性格となっている次第ですが、今の性格となっている原因や条件をしっかりと調べて理解することにより、その原因や条件をより善くに変えることで、当然に性格もより善くに変えることができることになるはずではあります。・・」

善処を祈念申し上げます。

川口英俊 合掌

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2014年11月24日月曜日

「マインドフルネス」に関する雑感について/hasunoha祝二年

勝義方便メモNo.10
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マインドフルネスに関する雑感を更に追記させて頂きました。

51)マインドフルネス、マインドフルネスとブーム到来にて盛んになってきていますが、マインドフルネスとは、瞑想法の一つにしか過ぎす、それが何か特別にスポットライトを浴びて非常に良いもの、万能なものであるかのように誇大されてしまっているのが現状ではないかと思います。

52)既に拙生の周りで懸念されている方々も大勢おられますが、これから、マインドフルネス関連の利権化、権益化にも注意が必要になります。マインドフルネスはあくまでも仏教における、それも禅定・瞑想法の一つに過ぎないということをしっかりと理解しておく必要があるでしょう。

53)更にマインドフルネスに関しては、やがて一元論的な扱いへと陥りそうな懸念もございます。それは、如来蔵・仏性思想、本覚思想的なものと同じように、「無分別知=悟り」的なところでの楽天的な全肯定の論理へとならないのかが心配されます。

54)マインドフルネスは、あくまでも空と縁起の観察の瞑想方法論の一つとして留めておくのが良いというのが現時点での拙見解であり、万人に対して一律に効果のあるようなものではなく、相手の資質によっても対機的に扱う必要性が出てくるというものであるかと存じております。

55)瞑想メソッドとしての「マインドフルネス」とティク・ナット・ハン師の説く「マインドフルネス」は分けて考えるのが良いとのアドバイスを頂きましたので、既読のハン師の「法華経の省察」の再読と、新たに「微笑みを生きる」と「ブッダの幸せの瞑想」を拝読致そうと存じます。

56)その三つのティク・ナット・ハン師著・訳書の精読後に今一度、拙生の「マインドフルネス」考を記させて頂こうと存じます。この度はマインドフルネスに関する拙見解において、一部誤解を与えてしまいましたこと、誠に申し訳なく存じ、反省致しており、ここに謝罪申し上げます。

・・

46)来年のティク・ナット・ハン師来日を控えて、最近はマインドフルネスという言葉がブームとなり、頻繁に聞かれるようになりました。ただ、マインドフルネス、マインドフルネスとそれが至上主義みたいなものになって流行ると誠に厄介なことになりそうだと認識しております。

47)仏教3.0提唱でマインドフルネスを深く知る山下良道師・藤田一照師、両師の「10/30アップデートする仏教を体感しよう」 http://www.onedhamma.com/?p=4976 参加はできなかったのですが、事前質問を受け付けて頂けまして、その内の一つが採用されました。

48)その拙質問のご回答にて「マインドフルネスが、それで戒・定・慧の三学の実践になる」との趣旨のお答えを山下良道師より頂きましたが、拙生はやはり少しの違和感を覚えざるを得ませんでした。もちろんマインドフルネス・瞑想は三学の基礎になることについての異論はありません。

49)問題は、マインドフルネスに三学の基本以上の何かを望んでしまうことにより、マインドフルネス・瞑想至上主義的なものに陥ってしまうと、どこか禅宗の坐禅至上主義的(長く坐るだけで偉いみたい)な雰囲気とよく似てくるようになるのではないかと誠に危惧致しております。

50)とにかく、戒・定・慧の三学の実践、方便行(善徳行、利他・慈悲行)はバランス良く中道的に調えていくことが大切になるというのが、これまでの一連の本考察における一応のところでの拙見解となっております。#勝義方便メモ No.10 http://togetter.com/li/719545

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hasunoha祝二年。誠におめでとうございます。最近はすっかりと回答ペースが落ちてしまっておりますが、この二年間、本当に多くのことを学ばせて頂きました。有り難しでございます。また少しなりともお役に立てれますように修養に努めつつに回答をさせて頂きたくに存じます。どうかこれからも宜しくお願い申し上げます。

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2014年11月10日月曜日

「仏教先進国 ミャンマーのマインドフルネス」/Hasunohaピックアップ

「仏教先進国 ミャンマーのマインドフルネス」 西澤卓美氏著・サンガ出版


ティク・ナット・ハン師来日を来年に控えて、「マインドフルネス」という言葉があちらこちらで聞かれ始めています。ハン師の著書は「法華経の省察」(藤田一照師・訳)しか読んだことがありませんが、マインドフルネスとは何かを更に考える上で、実際に長年、ミャンマーにて修行なされた西澤氏の著書からも学んでみたいと存じます。マインドフルネスがどのように日本仏教と衝突して展開していくのか、注視して参りたいと思います。

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最近の問答ピックアップ

問い「人生に飽きました」
http://hasunoha.jp/questions/836

拙回答

ぼくが生きる今日はもっと生きたかった誰かの明日かもしれない

yt様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

まず、実は仏教的には、生も死もございません。つまり、不生不死です。それは、般若心経にもございますように「不生不滅」のことになりますが、「不生不滅」に関しましては、これまでにも下記の各問いにて扱わせて頂いておりますので、是非、ご参照下さい。

http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/不生不滅

そして、是非、般若心経の説く「不生不滅」、あるいは、龍樹大師が「中論」冒頭で説かれている「八不」(不生・不滅・不断・不常・不一・不異・不来・不去)とは、一体どのような内容であるのか、是非、お考えを頂けましたらと存じております。

それと、「生きる意味」につきましては、これまでにも下記の各問いにて扱わせて頂いておりますが、実は「生きる意味も無い」のでございます。

http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/tag/生きる意味

ただ、ここで、誤解を招かないように補足致しますと、上記のことはカッコ書きが必要で、それぞれ、「(実体としての)生、死は無い」、「(実体としての)生きる意味は無い」ということで、「(縁起としての)生、死は有る」、「(縁起としての)生きる意味は有る」となります。

是非、この相違を考えることから仏教を学んで頂けましたら、飽きることなく死生観を探求できるのではないかとは存じております。

一日一日、同じ瞬間の二度とないこの無常なる世界、新しい毎日、瞬間をできるだけ精一杯に悔いなく過ごして参りたいものでございます。

かりゆし58「オワリはじまり」
http://www.youtube.com/watch?v=iOh6Sy7dXTo

最後に、かりゆし58「さよなら」 の歌詞の一節も引用させて頂きます。

「ぼくが生きる今日はもっと生きたかった誰かの明日かもしれない」

川口英俊 合掌


問い「子ども、子宝?について」
http://hasunoha.jp/questions/826

拙回答

ホモ・サピエンスの生存戦略

えりぃ様

川口英俊でございます。問いへの拙生のお答えでございます。

まず下記問いの拙回答をご参照下さいませ。

問い「子供の産めない女性」
http://blog.livedoor.jp/hasunoha_kawaguchi/archives/1002973768.html

病気や障がいの有無に拘らず、私たちは本当に儚く弱い存在でございます。でも、私たち人間は、互いに支え合い、助け合い、分かち合うことにより、「種」の保存に成功して参りました。

そこで、最近注目のYahoo!知恵袋の問答をご紹介させて頂きます。是非、ご参考にして下さい。

「弱者を抹殺する。 不謹慎な質問ですが、疑問に思ったのでお答え頂ければと思い...」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1463546664

ベストアンサーから抜粋・・

『・・「優秀な遺伝子」ってものは無いんですよ。あるのは「ある特定の環境において、有効であるかもしれない遺伝子」です。遺伝子によって発現されるどういう"形質"が、どういう環境で生存に有利に働くかは計算不可能です。例えば、現代社会の人類にとって「障害」としかみなされない形質も、将来は「有効な形質」になってるかもしれません。だから、可能であるならばできる限り多くのパターンの「障害(=つまるところ形質的イレギュラーですが)」を抱えておく方が、生存戦略上の「保険」となるんです。・・中略・・アマゾンのジャングルに一人で放置されて生き延びられる現代人はいませんね。ということは、「社会」というものが無い生の自然状態に置かれるなら、人間は全員「弱者」だということです。その「弱者」たちが集まって、出来るだけ多くの「弱者」を生かすようにしたのが人間の生存戦略なんです。だから社会科学では、「闘争」も「協働」も人間社会の構成要素だが、どちらがより「人間社会」の本質かといえば「協働」である、と答えるんです。「闘争」がどれほど活発化しようが、最後は「協働」しないと人間は生き延びられないからです。我々全員が「弱者」であり、「弱者」を生かすのがホモ・サピエンスの生存戦略だということです。・・』

川口英俊 合掌

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